|
  |

 |
|
■2回目のノックノック!(1月11日夜)
いつものように会社から帰って夕飯を食ったあと、ちびまるこちゃんの様にうだうだと過ごしていたときだった。トイレから出てきた奥さんがポツリ。「またおしるしが出た」
「また」というのは、実はこの日からさかのぼること2週間ほど前に、1回目のおしるしらしい物が来て、病院に駆け込んだことがあったのだ。俺らの周りの出産経験者は、全員おしるしが出たその日に出産したと聞いていたけん、1回目のおしるしのときはそりゃーもう大騒ぎした。でも空振りじゃった。「たまごクラブ」には、おしるしが来たら4、5日以内に陣痛が来ると書いてあったけどそれも無し。
じゃけん、今回も半信半疑。時間も時間(午後11時ぐらい)なんで、病院に電話するかどうかも考えること2分。とりあえず病院に電話して事情を説明。んじゃとりあえず来てくださいというので、予定日まではあと3週間もあるけど入院セットと一緒に病院に直行した。前回と同じく、分娩台に乗って陣痛測定器をつける。奥さんは7分おきぐらいにお腹が張るらしく、それに合わせて測定器の数値も60ぐらいに上がっていく。前回は最高が64じゃったけど、今回は記録更新で最高70ぐらいまで行った。
コレぐらいの痛みで70じゃったら本番はいくらぐらいなんじゃろうと看護婦さんに聞いてみたら、「ソフロロジーだったらあんまり数値はあがらずに、60ぐらいの陣痛が1分おきぐらいに来るんですよ」ということでちょっとガッカリ。
「ソフロロジー」って何ぞやという方のために説明すると、ソフロロジーとは「ヒッヒッフー、ハイいきんでー!」のラマーズ法に変わる新しい分娩方法で、ヨガの呼吸法などをベースに、「陣痛は辛い、お産は苦痛」とびびるんじゃなく、「陣痛は赤ちゃんと会うための大切なエネルギー」と考えることによって、リラックスした気持ちでお産に対する恐怖心・痛みなどを取り除く方法らしい。
この後、俺らのために呼び出された先生に診てもらうと、今回は入院した方が良いということになった。この病院は繁盛しているので、空いている部屋は2人部屋か特別室というVIPルームのみ。特別室には応接セットやシャワートイレが付いているけど部屋代が1泊1万数千円もするので2人部屋に入院することにした。
看護婦さんに、ちょうど同じ日に同じ部屋に入院したTさんを紹介してもらった。彼女は予定日を1週間過ぎたので入院することにしたらしい。第一印象はもの凄い優しそうな人じゃけど、うちの奥さんと仲良くやってくれるじゃろうか。
2人部屋ということで、俺は一緒に泊まる訳にもいかず、家に帰った。家に着いたのは夜中の1時過ぎ。全然産まれそうな雰囲気はなかったけど、どーも落ち着かないので私服のままコタツで就寝。
■悪魔のグリグリ攻撃(1月12日午後12:00)
翌朝、シャワーを浴びて病院に行った。病院に着いたのは昼ちょっと前。奥さんはグッタリして寝ていた。聞いてみると、午前に先生に診てもらった時に、グリグリ攻撃(さくらとむこ命名)をされたらしい。詳しいことは聞いてないが、指で子宮を直接グリグリ刺激され、それはそれは死ぬほど痛く、心の中で「何しやがるんじゃ、このボケ、鬼、悪魔」と叫んでいたとは奥さんの弁。先生に聞いたら、「おまじないしたから、今日の夜か明日には産まれるんじゃないか」ということじゃった。
エェッ?エーー!?マジっすか。全然産まれるようには見えんのんじゃけど。
実はこの時点でまだチャイルドシートを買ってなかったけん、今しかないと思って昼のうちにチャイルドシートを買いに出かけた。
こっから我が家の長くて短い半日が始まった。
■早っ!(1月12日午後1:00)
チャイルドシートを選んでる最中に携帯が鳴る。
奥さん「陣痛が始まったみたい」。
マジッすか!陣痛が始まってもすぐに生まれることはないと言っていたが、チャイルドシート選びは諦めて、とりあえず朝から何も食ってなかったけん昼飯を買いにスーパーへ。弁当コーナーで弁当を選んでたらまた携帯が鳴った。「早く帰っこないと、いつ破水してもおかしくないって。。。」
「展開早っ!」
人の親になる前の最後の昼飯は何にすべきか考えること2分。やっぱ広島県人はお好み焼きじゃろということで、お好み焼き(うどん入り)をつかんで車をぶっ飛ばす。
この日は日曜日でサラリーマンの俺にとっては仕事休みじゃし都合が良かったんじゃけど、何となく寂しかった。
俺のイメージする出産といえば、仕事中に突然電話がかかってきて、「なにっ産まれそう?分かったすぐ行くけん、それまで頑張れ!!」と言うと、同僚のみんなが「頑張ってね!頑張れよ!」と総立ちで見送ってくれてタクシーに飛び乗る。タクシーの運ちゃんに「すんませんっ子供が産まれるんです、急いでくださいっ」というと、運ちゃんが「よーし分かりました、しっかりつかまっていてくださいよー」とか言いながら裏道をかっ飛ばす。でも何故か大渋滞につかまる。で、「すんません運転手さん、俺ここで降ります」とか言って、2キロぐらい走って行くっていうのがあるんじゃけど、こればっかりはそういう訳にはいかない。会社の誰一人として、今俺がお産に直面しとるとは想像もしとらんじゃろうなあ。
■ルーキーへの洗礼(1月12日午後2:00)
 |
病院に戻ると、奥さんは陣痛室と呼ばれる部屋に移動していた。この病院の陣痛室は分娩室のすぐ隣にある畳張りの部屋。
布団が2枚敷いてあってカーテンで仕切られているだけ。俺が帰ったときは隣の布団には誰もいなかった。
このときの奥さんはまだまだ大丈夫。普通に話もできる。例の陣痛測定器を付けられたままジッとしている。 |
奥さん「看護師さんが立ち会いどうするかって?」
俺「う〜〜〜〜ん、まだ分からん」
奥さん「決めといてね」
買ってきたお好み焼きを食った後、隣の布団に誰か来た。看護師さんとの話に聞き耳立てると、まだ妊娠6週目でつわりがひどくて点滴を打ちにきたとの事。部屋が満室で空いてなかったんで、陣痛室に連れてこられたらしい。何でも「ちょっとでも食事の匂いがすると胃の中のもの全部吐く」らしい。やっべー!陣痛室はさっき食ったお好み焼き(うどん入り)の匂いがプンプン。すんません。犯人は俺です。
この後、この妊娠6週目のルーキー妊婦さんはもっと辛い体験をすることになった。
|
|
|
 |
|